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徳島地方裁判所 昭和47年(わ)336号 判決 1973年4月02日

本籍並びに住居

徳島市西新町四丁目一三番地

会社役員

多可糺

昭和三一年六月二二日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官熊川照義出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を罰金六〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となる事実)

当裁判所の認定した罪となる事実は、起訴状に記載された公訴事実と同一であるから、これを引用する。

(証拠の標目)

第一回公判調書中の証拠関係カードに記載された請求番号欄の番号1ないし16、18ないし80、82ないし127、129ないし132と同一であるから、これを引用する。

(法律の適用)

被告人の判示各所為は、いずれも所得税法二三八条、一二〇条一項三号に該当するところ、被告人が本件各犯行によって免れた所得税額は、いずれも右法案に定める罰金額の上限五〇〇万円を超える多額にのぼり、このような犯行に出た動機にもとくに酌むべきものはないこと、しかしながら本件で摘発を受けたあと被告人は従来個人として行なってきた営業を法人化し経理面の改善に努めると共に、税務当局の調査にも全面的に協力するなど改俊の情が顕著で、今後再犯に出ないことを誓っていること、被告人はこれまで自治会などを通して地域社会に貢献してきたが、本件の摘発が新聞紙上等で報道されることにより充分社会的制裁を受けていること、なお被告人が税務当局の調査の結果確定された所得額に見合う所得税およびこれを前提とする重加算税、延滞税はもとよりこれに伴う地方税もすでに完納していること、その他諸般の情状を考慮して、所定刑中罰金刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で被告人を罰金六〇〇万円に処し、右罰金を完納することができないときは、同法一八条により金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置することとする。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 青野平)

右は謄本である。

同日同庁

裁判所書記官 青木正之

昭和四七年検第二四七四号

起訴状

左記被告事件につき公訴を提起する

昭和四七年一二月一五日

徳島地方検察庁

検察官検事 仲可昭茂

徳島地方裁判所 殿

一、 被告人

本籍 徳島市西新町四丁目一三番地

住居 右同

職業 会社役員

在宅 多可糺

明治三一年六月二二日生

二、公訴事実

被告人は徳島市西新町四丁目一三番地において、呉服販売業を経営しているものであるが、所得税を免がれようと企て

第一、昭和四四年一月一日から同年一二月三一日までの昭和四四年分の所得金額は一五、四五三、五二〇円であり、これに対する所得税額は六、六七八、五〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上、売上の一部を除外し架空名義を利用して、これを銀行預金に預け入れるなどしたうえ、昭和四五年三月一四日徳島市徳島税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、二五八、四二六円であり、これに対する所得税額が三一六、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により前記納付すべき税額との差額である所得税六、三六二、五〇〇円を免がれ

第二、昭和四五年一月一日から同年一二月三一日までの昭和四五年分の所得金額は一七、九六六、八七〇円であり、これに対する所得税額が七、七二九、五〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上、売上の一部を除外し架空名義を利用してこれを銀行預金に預け入れるなどしたうえ、昭和四六年三月九日右徳島税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、二一一、〇八二円でこれに対する所得税額が四八七、三〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により前記納付すべき税額との差額である所得税七、二四二、二〇〇円を免がれ

第三、昭和四六年一月一日から同年一二月三一日までの昭和四六年分の所得金額は二〇、二三四、四四七円であり、これに対する所得税額は八、五八四、三〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上、売上の一部を除外し架空名義を利用してこれを銀行預金に預け入れるなどしたうえ、昭和四七年三月九日右徳島税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四、二〇五、八八三円であり、これに対する所得税額が六六〇、四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により前記納付すべき税額との差額である所得税七、九二三、九〇〇円を免がれ

たものである。

三、罪名および罰条

所得税法違反 同法第二三八条、第一二〇条第一項第三号

証拠関係カード

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

事特第6号

<省略>

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